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育む『罰』

 その者は育てたかった。  例えるなら、砂漠に緑を育て、増やし、豊かにしたかった。  しかし、蒔いても撒いても、芽すらも出ない。砂漠の砂漠たる所以を見せ付けられるばかりだった。  そんな中、たった一つだけ、大きく立派な果実が育った。  大切にしたかった。  だが、大切なものほど、奪い去ろうとする者が現れる。  彼は愛を与えたかった。でも、時代が、人が、それを許さなかった。  だから、彼は代わりに罰を与えたのだ。自ら罪を犯しながら。  そして、二人で育んでいったのだ。 約34K文字、A6文庫サイズ123P、PDFファイルです。 (体験版では第一章10ページまでご覧になれます。レイアウトの確認等にご利用ください。)

 その者は育てたかった。  例えるなら、砂漠に緑を育て、増やし、豊かにしたかった。  しかし、蒔いても撒いても、芽すらも出ない。砂漠の砂漠たる所以を見せ付けられるばかりだった。  そんな中、たった一つだけ、大きく立派な果実が育った。  大切にしたかった。  だが、大切なものほど、奪い去ろうとする者が現れる。  彼は愛を与えたかった。でも、時代が、人が、それを許さなかった。  だから、彼は代わりに罰を与えたのだ。自ら罪を犯しながら。  そして、二人で育んでいったのだ。 約34K文字、A6文庫サイズ123P、PDFファイルです。 (体験版では第一章10ページまでご覧になれます。レイアウトの確認等にご利用ください。)